Ellie Sato

エリー サトウ

    オンラインマイスターティーチャー

別の国に行って別の人格になっちゃえばいい

英語が苦手だった両親は「リベンジ作戦」と称して、3歳の私を英語教室へ通わせました。小学校に入学すると、アメリカ人の先生に友達グループで英会話を習い始めました。先生が作った会話を丸暗記して、パートナーとロールプレイングするだけの毎週30分を、高校卒業するまで12年間続けました。最後には、他の友達は皆いなくなり、私一人になってしまいました。
文法は、学校以外で習ったことがありません。12年習ったアメリカ人の先生からは、発音と英語の感性だけを徹底的に教わりました。発音は、口や舌の形をどうしろとかではなく、ただひたすら同じ音が出せるまで繰り返させられました。なので、「L」と「R」がどうだとか、発音記号だとかにこだわったことは、全くないんです。
習った英語の言い回しが使いたくて、駅のプラットホームで見かける外国人に、片っ端から声をかけました。道案内をしたり、日本文化について話したりしているうちに、学校でいじめられっ子だった私とは、全く別の私になれることを発見したんです。「自殺なんか考えるより、別の国に行って別の人格になっちゃえばいい」って思うようになりました。でも、留学は親が許してくれませんでした。
大学卒業後、大手商社に就職し、結婚のために退職、その後外資系化粧品会社の社長秘書というお仕事に就きました。夫のアメリカ転勤で、ロサンゼルスに移り、ただの主婦に向いていなかった私は、UCLAに通って、ホテル経営学を勉強しました。そのわずか半年後、今度はニューヨークへ転勤。地元の雑誌のライターをしながら、現地で2人の子供を出産し、育児をエンジョイしました。私立ニューヨーク大学で早期幼児教育を学んだ後、7年近い米国滞在を終え、帰国しました。

地頭の良い高校生たちに助けられてます

帰国後、仕事を再開しながら何の準備もせずに初めて受験したTOEICで、945点(リスニング満点)を取得したんです。「どうやって勉強したらそんな点数が取れるのか?」と友人に聞かれて、はたと困りました。テスト勉強が嫌いな私は、いつも“ノー勉”だったからです。「こうやったから高得点が取れた」という勉強のやり方なんて、自分自身がしたこともないのに、どうやって人に教えることができるのでしょうか。
そんなとき、スキー仲間の紹介で、国立の高校で英語講師を始めました。そこの高校生は全員受験するので、日々の授業では文法について、ものすごく質問を受けます。地頭の良い高校生たちに助けられて、自然と、文法に強くなりました。

フクロウとの生活で、隠れ上半身マッチョに

2年前から大型の猛禽類3羽と生活しています。ワシミミズクやハリーポッターに出てくるシロフクロウなどです。フクロウの「人馴れ・音慣れ」の訓練のために「据え回し」が必要なので、時間とお天気が許す限りは、ほぼ毎日1~2時間、彼らと外を歩いています。強風や猛暑以外、多少の雨や雪でも外出するんですよ。1羽につき、2キロ半から3キロほどの重さがあるので、姿勢が良くないと長距離は無理です。なので、彼らがうちにやってきてから、私の上半身もマッチョになってしまいました。
そのフクロウたちとの時間が、意外と有意義です。フクロウには、人間が怒っても文句を言っても、ほぼ通じません。彼らには、こちらがただ攻撃しているようにしか見えないんです。なので、自分の感情をコントロールして、「彼らに信頼してもらえるには、こちらの思う通りに行動してもらうにはどうしたらいいか」を考えながら行動する癖がつきました。高校でも「何をしていても怒らない先生」と言われています。あ、誤解しないでください、きちんと諭して誘導していますから、ご安心くださいね。こちらが声を荒げて癇癪を起こしても、彼らには何も通じないから「怒らない」というだけなんです。
2018年の秋から東京と軽井沢のデュアラー(セカンドハウス所有者のことを、英語では最近こう呼ぶんです)を始めたので、今は自由が丘や軽井沢で、「フクロウを腕に乗せて歩く変なヒト」をしています。どちらも外国からの観光客が多い場所柄のせいか、英語で話しかけられる機会が結構多いので、やっぱり完全には仕事離れできていませんね。

「小さなことでも褒められていいんだ!」というマインドリセット

英語を話せるようになると、日本語以外の世界と意見や情報が交換できるので、私たちが外側からどんなふうに見えているのかがわかりますし、他国の良いところを日本に取り入れて改善することもできます。場合によっては、日本にサヨナラして、外に出ていくことさえできるんです。可能性が広がります。
私は小さな変化でも見逃さず、必ず生徒さんにポジティブにフィードバックするようにしています。日本人は褒めることにも褒められることにも慣れていませんが、英語圏の人は、自分の子供のことを堂々と人前で褒めます。なので、まずはそういった「小さなことでも褒められていいんだ!」というマインドリセットも、英語を話すきっかけになると信じています。英語は、数学や歴史の科目とは違います。情報を伝える、思いを伝える「生きたツール」なので、座学では補えない部分が大半です。視覚情報だけに頼った英語学習は、大変危険かつ無駄となってしまうこともあり得ます。ぜひ、一人で学習しないで、誰かを巻き込んで誰かと関わりながら「生きたツール」を楽しんで使ってみてください。

Profile

Ellie Sato ( エリー サトウ )
POLYGLOTS MTT( Meister Teacher Trainig )第3期生。
大手企業役員や外資系社長秘書の経験を持つ。
現在は、上級向け4技能英語のマンツーマンレッスンを提供する株式会社ハフタ代表取締役、筑波大学附属高校英語講師。
TOEICスコア980取得。